小児救急集中治療部門

picuドクターヘリ
2016年3月より新たに開設された部門です。近年、海外、国内ともに、高度救命救急センターとPICUとの連携により、治療成績が向上するとの研究がされています。
 
残念ながら、両施設を有する病院は非常に少なく、救急車やドクターヘリで救命センターからPICU病院へ搬送しているのが現状です。
 
当院では、高度救命救急センターの新病棟3階にPICUを開設することで、小児救命センターとして全国でも9番目の専門施設となりました。
 
喘息重積発作などの急性呼吸不全に対する人工呼吸器管理や、脳炎・脳症の治療、緊急透析などの集中治療管理を行っています。
 
また、ER科や高度救命救急センター、メンタルクリニック、脳神経外科、小児外科と連携し、外傷疾患へも小児科医の視点から積極的に介入しています。

救命できたはずの「防ぎえた死」のために

2006年の調査では、日本は新生児や乳児の死亡率の低さは世界トップクラスなのに、1〜4歳児の死亡率は21位と先進国で最低水準でした。
 
その原因は、重篤児童の治療が成人向けの一般救急や通常の小児病棟で行われていたり、症例が分散していたりすること考えられ、本来なら救命できたはずの「防ぎえた死」が少なくありませんでした。

  日 本 ルクセンブルク カナダ フィンランド
 新生児死亡
(生後28日未満)
1.8
(世界1位) 
3.0    4.0 2.0
幼児死亡
(1〜4歳)
 1.2
(世界21位)
 0.4   0.8 0.8

平成19年厚生労働科学研究・子ども家庭総合研究事業による

この「救える命が失われている」危機感から、2010年度から全国で小児救急センターの整備が始まり、当部門は、2016年3月に日本で9番目の小児救命救急センターとして発足しました。

質の高い医療の提供が可能に!

PICU治療中
新病棟の完成に合わせ、小児集中治療室( PICU)8床でスタートし、数年後には 16床まで拡張する計画です。大学病院附属として、初めての小児科運営による closed PICUの運営形態で、患者 2人に看護師 1人と、通常の 3.5倍(専従医師6名)の手厚い看護体制になっています。
 
病気や事故で生死をさまよう「超急性期」の小児救急患者を、救急隊などから 24時間態勢で受け入れるほか、近隣病院で一命を取り留めた小児患者も積極的に受け入れ、集中治療を施しています。また、ドクターヘリの基地であり、小児重症患者集約化の拠点にもなっています。
 
小児救急センターが発足した 3月からの1年間で約400人の患者が入院しています。

入院数402件(2016年度)

PICU入院数402件(2016)

よく見られる症例と専門的な管理

よく見られる症例
呼吸障害(105)
中枢神経(92)
外傷(82)
術後管理(47)
循環障害(16)
CPA蘇生後(10)
その他(50)
※カッコ内数字は症例数

専門的な管理
人工呼吸器(154)
NPPV(28)
HFNC(71)
NO(2)
血液透析(6)
腹膜透析(2)
血漿交換(2)
ICP(7)
※カッコ内数字は症例数

埼玉県全域から転院を受入

埼玉県全域から受入地図

総合医療センターだから可能な各科との連携

埼玉医科大学総合医療センター小児科組織図

総合医療センターの小児救命集中治療部門として、内科疾患、外科疾患、外傷疾患などすべての疾患を、埼玉県内はもとより、近県の小児重症患者にも出来る限り対応しています。そのため、外傷診療に精通した高度救命救急センターの成人救急医や、脳神経外科などの各科の専門医と連携して、初期診療から数多くの症例に携わることができます。
 
成人救急と異なり、小児救急は成長段階に応じて薬の量を変えたり、小児特有の疾患への対応や保護者への気遣いをしたりと、特有のノウハウが必要です。小児科医と救急医の専門知識が求められるため、両方のスキルを身につけることが可能です。
 
そして、全国的にも問題になっているNICU病床不足を補うため、新生児の心疾患、外科疾患などの一部の患者を受け入れることや、在宅医療の重症心身障がい児が悪化したときの受け皿となり、ご家族の安心に貢献することなども、今後の小児救命集中治療部門の役割だと考えています。

最新の設備と個人を尊重した体制

PICU治療室01
PICU治療室02

2016年3月に完成した新病棟は、最新鋭の医療機器を備えているだけではなく、働きやすさを考え、患者さんにストレスを与えずに適切な処置ができるよう設計された理想的な環境です。
 
当部門は、小児科後期研修の一部として、他施設からの短期間のローテーションを受け入れることにより、県内の小児科研修に積極的に貢献しています。短期研修のみならず、改めて小児科で学びたいという他病院医師も歓迎です。
 
また、女性医師の休職後の臨床復帰や、育児支援のための雇用形態も充実しています。外来のみや非常勤など、ライフスタイルに合わせて個別に対応しますので、お気軽にご相談ください。併設の保育園もあります。 また、お迎え搬送を原則とし、三角搬送も承ります。

つばさ
つばさ02

過去の研修病院

●成育医療研究センター
●埼玉県立小児医療センター都立小児総合医療センター
●長野子供病院
●SICK KID’S HOSPITAL

スタッフ紹介

桜井 淑男 Yoshio Sakurai


■職  位 小児科准教授、小児救命救急センター センター長
■出身大学 新潟大学S62年卒
■経  歴
昭和62年 東京大学医学部 小児科入局レジデント
平成元年 国立小児病院 新生児レジデント
平成3年 藤枝志太総合病院 小児科スタッフ
平成5年 国立小児病院 麻酔集中治療科フェロー
平成7年 トロント小児病院 ICUフェロー&テキサス州ダラス小児病院 ICUフェロー
平成10年 長野県立小児病院 麻酔科スタッフ
平成12年 東京慈恵会医科大学 麻酔科ICU助手
平成15年 埼玉医科大学 総合医療センター小児科入局
平成27年 埼玉医科大学 総合医療センター小児科准教授
■資  格 日本小児科学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本集中治療医学会専門医、ECFMG永久ライセンス
■学  会 日本小児科学会、日本麻酔科学会、日本集中治療医学会


■サイトを閲覧されている方・当小児科に興味のある人に…
小児救急、集中治療を志す先生方は是非見学においでください。日本で9番目の小児救命救急センターとして国に認められた施設です。日本で初めての診療場所も診療スタッフも独立した大学病院のPICUです。小児の外傷も初期診療から対応することができます。一緒にこどもの命について学びませんか?

櫻井淑男

長田 浩平 Kohei Osada


■職  位 講師
■出身大学 埼玉医科大学H16年卒
■経  歴
初期研修 埼玉医大総合医療センター
3年目 小児科
4年目 新生児科
5年目 ER科
6年目 埼玉県立小児医療センター 総合診療科
7-8年目 国立成育医療研究センター 集中治療科
9年目 順天堂大学浦安病院 救急診療科 / こども救命センター
10年目 順天堂大学浦安病院 救急診療科 非常勤で在籍 埼玉医大総合医療センター 小児科
8月より高度救命救急センター ICUチーム
2018年7月より、カナダのトロント小児病院に留学中
■資  格 小児科専門医、PALSインストラクター、JATECプロバイダー、ITLSプロバイダー
■学  会 日本小児科学会


■サイトを閲覧されている方・当小児科に興味のある人に…
同僚や後輩が働きやすい環境作りを目指しています。 まずは一般症例数の多当科にて経験を積んでみませんか? その後の進路として必ずしも院内に縛られる事はありません。国内外問わず思う存分研鑽を積んで下さい。 そのための協力は惜しみません。

長田浩平

小林 信吾 Shingo Kobayashi


■職  位 助教
■出身大学 埼玉医科大学H17年卒
■経  歴 埼玉医科大学総合医療センターで初期研修を行い、同センター小児科に入局。ER科での研修、長野県立こども病院PICUでの研修を経て、救急医療や集中治療に特に興味を持って取り組んでいます。
■学  会 日本小児科学会、日本集中治療学会、日本呼吸療法医学会


■サイトを閲覧されている方・当小児科に興味のある人に…
医療者が互いに支え合って、活気ある職場にして、こども達とご家族により良い医療を提供したい。興味のある方是非一緒に働きませんか?


板倉 隆太 Ryuta Itakura


■職  位 助教
■出身大学 山形大学H22年卒
■専  門 小児集中治療
■経  歴
平成22年 山形大学医学部医学科卒業
平成24年 岩手県立磐井病院 初期研修終了
平成24年 埼玉医科大学総合医療センター 小児科入局
■資  格 日本小児科学会専門医
■学  会 日本集中治療医学会、日本呼吸療法医学会、日本小児集中治療研究会、日本小児救急医学会(東日本大震災継続支援ワーキンググループ)、日本小児感染症学会
■趣  味 ランニング、登山、スキー、楽器演奏
■一  言 小児救急・集中治療を志して、後期研修で、PICU、小児麻酔、NICUの研修を積みました。現在は、小児救命救急センターで安全管理、感染管理、医療倫理、患者搬送など、様々な課題に直面し、日々悩みながら経験を積んでおります。地元、東北地方で、小児救急医療、小児集中治療の分野を専門にして働くことが目標です。

板倉隆太

宮本 和 Kazu Miyamoto


■職  位 助教
■出身大学 埼玉医科大学H23年卒
■資  格 小児科専門医
■学  会 小児科学会、小児感染症学会、小児集中治療学会


■サイトを閲覧されている方・当小児科に興味のある人に…
多彩な症例が集まり、たくさん経験できます。鑑別診断、検査、治療方針に至るまで、上から言われた事だけをやるのではなく、自分の意見を言いやすい環境が あります。みんな和気あいあいと毎日の小児診療に奮闘しています。


河野 彬子 Akiko Kawano


■職  位 助教
■出身大学 帝京大学H24年卒


足立 智子 Tomoko Adachi


■職  位 助教
■出身大学 埼玉医科大学H24年卒
■経  歴 
平成24年 埼玉医科大学総合医療センター 初期研修
平成26年 埼玉医科大学総合医療センター 内科ローテーション
平成27年 埼玉医科大学総合医療センター 小児科 後期研修